蛍雪ゼミナールは岐阜県、愛知県を中心に展開する進学塾である。
この2県に住んでいる人であれば名前を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。
ちなみに、蛍雪とは「蛍雪の功」という古事成語が由来であり、苦労して勉学に励むことを指している。
蛍雪ゼミナールは小中学部と高校部に分かれており、小中学部は全部で29校舎あり、高校部は6校舎を構えているなど、かなり手広く展開している印象である。
今回はそんな蛍雪ゼミナールについて紹介していく。作者は中学部の出身であるため、中学部の情報が中心となってしまうが、この記事がどの塾に入ろうか検討している人の参考になれば幸いである。
蛍雪ゼミナールの概要
蛍雪ゼミナールの授業、学習スタイル
端的に言えば、蛍雪ゼミナールは講師による授業が中心となった学習スタイルである。基本的には授業がある日に塾に来て、それ以外の日は自習室を利用するあるいは自宅で提示された宿題に取り組むことが中心である。ただ、自習室を使うのは主に高校受験を控えた中学3年生なので、それ以外は自宅学習が主となると思われる。
各コースについては以下で詳細に紹介していこうと思う。
・小学部
まずは小学部から紹介していく。
蛍雪ゼミナールの小学部では小学校4年生から入塾することが可能であり、どの学年においても勉強の習慣をつけるということを重視している。
小4コースでは算数と国語を扱っており、それぞれ週に一度50分の授業が行われる。また、片方だけ受講することも可能である。
次に、小5コースでは算数・国語に加えて英語の授業が加わる。算数と国語の授業は同じ日に行われるため、3教科とも受講した場合も塾に来るのは週2回ということになる。
最後に、小6コースでは小5コースと同様に算数・国語・英語の3教科を受講することが可能である。
小学校の外国語科導入に伴って、何回も練習が可能なアプリを導入するなどしているようである。
また、6年生からは「ケイセツ模試」という蛍雪ゼミナール全校舎で実施される模試を受験するため、授業は模試の範囲に沿って進められる。
・中学部
次に中学部について紹介していく。この記事の作者は中学部に在籍していたため、実体験も踏まえながら紹介していこうと思う。
中学部では、「マイ・ゴール・システム」という独自の教育システムを導入している。具体的には、前回の授業内容についての小テストを授業の冒頭に行い、これに合格することで成功体験を得させ、学習する習慣をつけるというものである。この小テストに落ちた場合、通常の授業が終わった後に補修をすることになる。
上述の「ケイセツ模試」が毎月行われるため、模試の目標を用紙に書き、それらを掲示するというのもシステムの一つである。模試の結果によって、TSクラス、Tクラスというようにクラス分けがされる。(ちなみにTSクラスの方が優秀である)
小学部との大きな違いは授業時間が50分から70分になることである。
また、各地に校舎があることから、各学校の定期テスト対策が手厚く行われる。過去の定期テストなどを保管しているため、傾向などを考えて対策が行われる。
中1コースと中2コースにはあまり差はなく、国語・数学・理科・社会・英語の5教科を受講することが可能である。内訳としては週2回の数学・英語コース、週1回の理科・社会・国語コースがあり、全て受講した場合週3回の授業となる。
作者は中1の頃から数学が苦手だったため、数学・英語コースを受講していた。教科によってもクラス分けがされるため、基礎から学習することができた。中2からは理科・社会・国語コースも受講したが、定期テスト前だけではなく、普段から勉強をする習慣が付いたことによって定期テストの得点も自ずと伸びていった。
中1と中2では、学習習慣をつけ、定期テストや模試でよい成績を残すことが全体的な目標であるとうかがえる。
中3コースでは、週3回の5科目コース、数学・英語コース、復習が中心となる日曜特訓コースが受講可能である。受験勉強が本格化する9月から、応用問題を扱う土曜特訓コースなどが受講可能となる。日曜特訓コースは各地域の大きな校舎で行われるため、他の校舎の生徒と受講することとなり、普段と違う試験本番のような雰囲気を味わうことができる。
この他にも、勉強合宿などのイベントが用意されている。作者も実際に参加したが、県外の生徒との交流もあり、受験勉強のモチベーションも向上したと感じている。
授業が行われない日は、空き教室が自習室として解放されるため、家では勉強が捗らないという人にとっても勉強する習慣がつきやすいようになっている。
また、自習室だけではなく、授業で使われていない教室で、代々木ゼミナールの映像授業を受けることが可能である。集団授業だけでは物足りないという人にはおすすめである。
・高校部
高校部も小中学部と同様で、地域密着型を重視しているため、各校舎が地域の高校の専門となっている。クラス編成も高校別となっているので定期テスト対策はこれまでと同じように手厚い。
これは高校別授業コースであるが、他には全高校対応の個別指導コースがある。これは部活動などであまり勉強時間がとれないといった人のためのコースで、曜日や時間帯を選択することが可能である。
高校部でも、サテラインコースとして代々木ゼミナールの映像授業を受講することが可能である。先ほど紹介した個別指導コースと併用することで、自分の好きな時間に自分が勉強したい内容に絞って受講することが可能である。
作者の同級生にサテラインコースを受講していた子がいたが、やはりプロの講師による講義は面白く、分かりやすいという旨を話していた。
高校部は中学部ほど、コースが多岐に渡るということはないため、自分に合ったコースを選択することが合格につながるのではないだろうか。
蛍雪ゼミナールの実績
蛍雪ゼミナールでは、各校舎に合格実績についての掲示がなされている。
一般的に、進学塾の合格実績は体験入塾だけの生徒なども合格実績として掲げる場合が多いが、ホームページを見てもわかるように、蛍雪ゼミナールでは途中退塾者や体験生はカウントしていないようである。そのため、掲示を信用しても良いと思われる。
岐阜市内の高校だと、いわゆる岐阜5校の中でも加納高校や岐山高校、長良高校などに進学する生徒が多いという印象を受ける。これは岐阜高校、岐阜北高校などを志望する生徒がライバルの志門塾に入る傾向があるためと考えられる。
蛍雪ゼミナールのメリット、デメリット
蛍雪ゼミナールのメリット
・大手という安心感
蛍雪ゼミナールは、多く校舎を抱えているということもあり、岐阜県内では大手の進学塾に位置付けられている。特に高校受験においては、実績も十分であるため、迷ったら地元の蛍雪に入れておけばいいという保護者の方も多いように思われる。
地域密着、定期テスト対策が手厚いため、内申点のアップも見込める。
受験勉強において、学力は当然重要であるが、岐阜県の高校受験は内申点もとても重要である。
受験勉強においての安心感については上記の通りであるが、蛍雪ゼミナールは各地に校舎を持っている地域密着型の塾であるため、各学校の定期テスト対策がとても手厚い。そのため、受験勉強だけではなく、1、2年生の時点で高校受験を見据えて高い内申点を狙うことも可能である。
・講師がバイトの大学生ではないから安心
多くの進学塾では、講師としてアルバイトの大学生が働いている場合が多いが、蛍雪ゼミナールでは全ての講師が社員であるため、指導力の水準はどの校舎に入っても同じくらいであると思われる。また、卒塾生が講師になる場合もあるため、蛍雪ゼミナールでの指導について理解がある講師が多いと思われる。
また、上記のように代々木ゼミナールの映像授業も受講可能であるので、指導力に関してはまったく心配ないだろう。
蛍雪ゼミナールのデメリット
・自分の勉強したいことに集中できない
これは蛍雪ゼミナールに限った話ではないが、授業形式の塾は自分が理解している内容についての授業も出席しなければいけないため、自分が本当にわからない内容に集中することができない、集団授業であるため、自分が分からなかったことを質問しづらいというデメリットがある。
・分かった気になってしまう
授業を受けた直後は解けた問題が翌日には解けなくなっているという経験は誰しもあるのではないだろうか?そこが授業形式の落とし穴である。
授業を受けることによって理解した、自分はできるという気になってしまい、演習を怠った結果、できていたことができなくなってしまうのである。
授業を受けるときには注意したい。
・授業以外での勉強が管理されていない
自習室はあるが、管理する人がいないため結局は自分自身の勉強次第である。
上記のように、授業が行われていない教室は自習室として解放されるが、講師は他の教室で授業をしているため自習室を管理している人がいない。(実際、作者が中学生の頃はゲームをしている子もいるなど無法地帯であった。)そのため、自習室に行って勉強した気分になり、満足しているだけでは成績の向上は期待できない。
蛍雪ゼミナールに向いている人、向いていない人
では、どんな人が蛍雪ゼミナールに向いているのだろうか?
作者の主観ではあるが、以下で簡単にまとめていく。
蛍雪ゼミナール向いている人
・学校の授業についていけない人
上記のように、ほとんどの校舎において学校別のクラスが設けられているため、学校の授業についていけない人は、勉強の遅れを塾の一斉授業で取り戻すのが得策ではないだろうか。
・学習の習慣が身についていない人
特に、受験生ではない人の場合、勉強をしようと思っても何から手をつければいいのか分からない人が多いのではないだろうか?蛍雪では、各授業で宿題が提示されるため、何をやればいいか分からないという人にとっては勉強の方針が定められるため、おすすめである。
・1人では勉強ができない人
何度も言うが、蛍雪は各学校に対応しているため、校舎内に自分の同級生が1人はいる場合が多い。一斉授業においても、自習においても1人ではなかなか手が付かないという人にとっては知り合いがいるというだけでも勉強に取り組みやすくなるのではないだろうか。
蛍雪ゼミナールに向いていない人
では反対にどんな人が蛍雪に向いていないのだろうか?
・自習中心で勉強したい人
上記のように、一斉授業形式がメインであるので、自分の苦手な部分だけを集中して取り組みたい、すぐに質問を解消したいと考えている人には向いていないと考えられる。
・短期間で成績を伸ばしたい、逆転合格をしたい人
いくらプロの授業が受けられるとはいっても、時間は有限である。
短期間で成績を上げたいという人にとっては時間は非常に貴重であるため、悠長に授業を受けている余裕はないのではないだろうか。
当然授業にもメリットはいくつもあるが、時間が足りない人にとって授業はコストパフォーマンスが非常に悪いというのが現実である。
まとめ
ここまで蛍雪ゼミナールについて紹介してきたが、いかがだっただろうか?
この記事を読んで、蛍雪に対するイメージが良くなった人、悪くなった人、反応は様々であると思われるが、この記事が岐阜の学生、及びその保護者の役に立つことを祈りながら、この辺りで筆を置かせていただこうと思う。
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