このページは、岐阜県立山県高等学校についての基本的な情報を提供するものである。
これから入学試験を迎える受験学年の人や、その親御様にぜひ読んでいただきたい。
岐阜県では、平成30年(2018年)より全日制普通科の高校入試において、全県一区制を導入することになった。
これにより、受けられる高校の制限がなくなり、岐阜県民であれば自由に通いたい高校を選ぶことができるようになった。
以下、岐阜県立山県高等学校について紹介していこう。
目次
学校情報
学校情報
所在地 岐阜県山県市中洞44-1
設立 1952年(昭和27年)
教訓 自主積極
制服 男女共に紺のブレザー(青に近い)、男子スラックス、女子スカート共に灰色っぽい。
校章
”山”の字をひし形に図形化したものの中心に「高」の字があしらわれたシンプルな見た目をしている。
太く鋭く天に向かって突き立つ山の字の中心は、校訓である「自主積極」を表現している。
それを支えて立つ2本の図形にはそれぞれ”礼儀と信義” ”勤労と奉仕”の意味合いがあり、本学で学ぶ生徒が未来に向かって、力強く、幅広く成長することを願っている。
アクセス 岐阜バス「山県高校前」徒歩1分
定員
普通科 80名
ビジネス科 80名
計 160名
教育方針
教訓「自主積極」のもと、真理と正義を愛し、個人を価値観を尊び、自由と責任を重んじ、心身ともに健康で、国際社会や地域社会に貢献できる心豊かな人材を育成することを目標としている。
教育実践項目
- 基礎学力の定着
- さわやか挨拶の励行
- 部活動の充実
- 環境美化の推進
各学科紹介
本学は平成31年4月入学の生徒から、単位制普通科高校に生まれ変わる。
そのため、総合学科制度を取り入れている学校と似たような、学生自身が学びたい分野の単位を取得し卒業する形式に近くなるのだ。
現在は30年度までの情報しか判明していないため、それに準拠する形で学科紹介をしていくが、来年度はビジネスコースは普通科の括りとなり、形式が変わることになっている。
普通科(理系)
一般的な理系の勉強方針に従い、数学・理科を中心に学習する。
主に大学等、上級学校への進学を目指している生徒が多い。
普通科(文系)
一般的な文系の勉強方針に従い、国語や英語、地歴・公民を中心に学習する。
主に大学等、上級学校への進学を目指している生徒が在籍している。
商業科(旧ビジネス)
簿記や情報処理を中心に学習し、ビジネス諸活動の基礎・基本を学び深めていく。
また、簿記の資格を取得を目指しており、全商ビジネス文書実務検定や全商情報処理の資格をとって卒業する生徒も多い。
工業
ものづくりに関心のある学生が多く在籍している。
製図や基礎的な工業科目の学習が多く、理系よりの科目を学習する。
工業系の進路を目指している学生向き。
福祉
介護や保育の基礎など、福祉系の家庭科目を中心に学習を進める。
将来的に介護施設や保育施設で働くことを目指している学生向き。
授業科目には、フードデザインなど一般には馴染みのない専用科目も設置されている。
教育概要
本学は岐阜県山県市中洞に位置する公立高等学校である。
現在は全日制課程の普通科高校であるが、平成31年より単位制普通科高校に生まれ変わる。
普通科コースと普通科ビジネスコースという2つの学科を設置しており、各学科2つのクラスがあり1学年4クラス単位となっている。
平成31年からの学科・コース編成は前述の紹介より5つあるが、単位制のためクラスと言うよりかは、系統と言った方が正しいだろう。
教育の方針は、少人数授業による丁寧な指導と、地元の企業支援によるインターンシップが特徴的だ。
インターンは30年度の段階で25年続けられており、毎年三年生全員が3日間に渡る実地指導を受け、二年生は希望者のみが実習として企業に訪れている。
学校教育目標として、以下の5点を重点目標に定めている。
基礎学力の定着
少人数指導による「わかる授業」を実践し、個々の生徒に応じた学力伸長を助け、授業を大切にし、授業に集中する気持ちを育てる。
さわやかな挨拶の励行
各教員室への入退室のマナーや、生徒会による挨拶運動の推進により、自ら元気よく挨拶できる態度を育てる。
部活動の充実
大会、コンテスト、地域イベントへの参加を推進すると共に、先輩から後輩へ活動を繋げていくことの大切さを指導する。
環境美化の推進
放課後の全員清掃と定例の大掃除で校内の環境美化に努めると共に、学校周辺の清掃も行い地域に愛される学校づくりを行う。
実践項目以外の活動の推進
地元企業へのインターンシップや、学校ホームページの更新、地域行事への積極参加など。
概要
本学のはじまりは1952年、岐阜市立長良高等学校山県分校として武芸中学校の一部を借りて昼間定時制普通科課程を置いたことにある。
1956年に、長良高校が県立に移管したことで県立山県分校となり、1958年には岐阜商業高校に移管され、岐阜県立岐阜商業高校山県分校となる。
初めて、独立したのが1967年のことで、この時から全日制普通科の課程となった。
その後、1988年に情報コースを設置し現在まで続いている。
2002年には創立50年となり記念式典が挙行された。
偏差値
偏差値は38-41。岐阜県内の公立高等学校が156校あり、その中で129番目だ。
あまりいい偏差値とは言えないが、31年度から単位制普通科高校に生まれ変わるためここから変化することは間違いない。
また、在学していた生徒からの意見では、先生が親身であったり決まりごとがしっかりしているという意見もあった。
偏差値に現れない評価も参考にしてほしい。
入試情報
岐阜県の公立高校の入試制度に従い実施される。
標準検査(国数英理社)と面接、小論文試験を実施している。
定員は30年度は普通科が80名で志願倍率は0.82。
ビジネス科が80名で志願倍率が0.43だった。
今年度31年の入試概要は以下である。
募集学科:普通科
募集人員:120名
調査書と学力試験の割合:7・3
面接試験:グループ面接(4~5人単位で15分ほど)
試験日:平成31年 3月7日(木)
当日の時間割:
9:20 ~ 10:10 国語
10:30 ~ 11:20 数学
11:40 ~ 12:30 英語
13:20 ~ 14:10 理科
14:30 ~ 15:20 社会
15:50 ~ グループ面接
詳細は本校のHPリンクを貼っておくので確認いただきたい。
山県高校入試概要
https://school.gifu-net.ed.jp/yamagata-hs/no5_tyuugaku/nyuushi_2019/gaiyou_h31_2019yamagata.pdf
出典:平成30年度入学者選抜実施概要 公式HPより
http://school.gifu-net.ed.jp/syoyo-hs/jhs/pdf/30_kennsagaiyou1.pdf
合格実績
年ごとに実績は異なるが、平成29年度の実績では、約3割弱の生徒が四年制大学・短期大学や専門学校へと進学しており、残りの大多数は就職している。
本校が公開している29年度の実績によれば、私立大学に14名、私立短期大学に11名、専門学校に16名が進学しており、就職は67名であった。
以下、ホームページ記載の29年度実績から、主要な合格実績を紹介する。
私立大学
朝日大学3名、中部学院大学3名、東海学院大学2名、岐阜経済大学1名、岐阜聖徳学園大学1名等
短期大学
岐阜保健短期大学1名、平成医療短期大学4名、中日本自動車短期大学1名
専門学校
大原法律公務員専門学校2名、トライデントコンピュータ専門学校2名、日本デザイナー芸術学院1名ほか
就職
日本トムソン(株)岐阜製作所、わかば農園(株)、(株)横山製作所、岐阜食品(株)、イオンビッグ(株)、日本郵便(株)東海支社、(株)岐阜都ホテルなど。
部活動
運動部、文化部共にメジャーな部活動が用意されており、入学した生徒はきっと打ち込める部活動と出会えることだろう。
伝統的に野球部が強く、ここ最近では陸上部が東海大会に出場するなど実績を残している。
野球部は学校ホームページ内で当校の魅力を語っている。
一例をあげると、
・豊富な経験、実績を持つ指導者
→ 過去、首都大学の1部リーグでピッチャーだった三平氏を筆頭に5名のコーチが在籍
・活動環境がいい
→ 照明付きの専用球場や人工芝の雨天練習場が設置されている。
・地元企業に豊富な推薦枠がある。
などが挙げられており、古くから山県市を代表する高等学校であるため、地元からの信頼も熱い。
過去の実績では、全国高等学校野球選手権岐阜大会でベスト4まで勝ち残ったこともあり、今後、本戦への進出も期待されている。
以下、部活動一覧
運動部
陸上部、バレーボール部、バスケットボール部、テニス部、硬式野球部
文化部
茶道部、ハンドメイド部、吹奏楽部、文芸部(文芸・歴史研究)、IT部、科学研究部、美術・書道部
特色
本学の特色としては、平成28年よりはじまった「山高MIRAI(未来)プロジェクト」が特徴的だ。
これは、山県市が抱える問題の一つである人口減少によって、毎年生徒の人数が減って来ているという状況を打破するために始まった、学校改革のプロジェクトの側面が大きい。
具体的には、タブレットPCやプロジェクターの導入などによるICTを活用した授業の展開や、企業実習(デュアルシステム)を促進することなどである。
翌年には、山県市からの助成金もあり、実習で使う介護用のベッドやプロジェクター、タブレットPC10台などが導入された。
特にこの山高MIRAIプロジェクトで一定の成果を出したのは、企業実習(デュアルシステム)であった。
これは平成30年から本格導入された学校指定科目の一つである。
”働きながら学ぶ、学びながら働く”をテーマに、高校2年生の生徒が週に1日、企業先に訪れて1年間に及ぶインターンを行うというものである。
卒業後に就職する生徒の割合が6割で、地方に就職する生徒が一定数いるという現状にある本学にとって、実にマッチした計画であり、生徒や地方の企業にとってもミスマッチが少ないというメリットがある。
実習先としては、美容室や老人介護施設、自動車販売店など様々用意されている。
山県高校HPより〜企業実習(デュアルシステム)紹介〜
以下、年間学校行事
4月 入学式
5月 社会科見学
6月 3年生地元企業・施設研修
8月 みやま川祭りボランティア
10月 山高祭(文化祭)
11月 スポーツ大会
12月 2年生沖縄修学旅行
3月 卒業式
学校行事では、10月に行われる山高祭という文化祭がもっとも盛り上がるようだ。
1、2年生は作品展示、3年生は劇を行うほか、たこ焼きやじゃがバターなど定番の屋台の出店も行っている。
特に野外ステージでは、バンド演奏やダンスパフォーマンスなどイベントが実施され大盛り上がりの2日間となる。
また、2年生は修学旅行で沖縄を訪れている。
ひめゆりの塔や、美ら海水族館など定番のスポットを訪れる他に、最終日は各班ごとになって自由行動がある。
タクシーを1台ずつチャーターして観光できるので、多くの場所を回ることができると好評だ。
山県南高等学校HP 山高祭紹介ページ
https://school.gifu-net.ed.jp/wordpress/yamagata-hs/tag/%E5%B1%B1%E9%AB%98%E7%A5%AD/
今回、この記事執筆については、山県高等学校のページを参考にさせていただいた。
学校行事の様子など、写真を交えて校内の様子を発信している。
この記事を読み興味を持った方は、ぜひリンク先を訪れてみて欲しい。
参考:山県高等学校HP
まとめ
本校の歴史は山県市と共にあるのだろう。
ここ最近では、地方の人口減少はより顕著になっており、山高MIRAIプロジェクトも地方の活性化を目的とした側面が大きく反映されている印象は拭えない。
一方で、教育に求められている根幹の部分である「生きる力」の育成という部分は変わっていない。
単純に学力を上げることだけが高等学校に求められる時代は終わりつつあるのかもしれない。
本学のように、地方と共に歩んで来た学校は大きく地方の問題を受けるし、それを解決することが本学にとっても市にもメリットとなるのだ。
ただ、生徒を疎かにすることはいつの時代であっても間違っているだろう。
地方の教育レベルが下がっていることは明らかであり、そこに目を背けてはいけない。
学校、市、生徒の三方のバランスが正しく保たれることを望む。
本学はこうした地方の問題を、学校の制度と上手く絡めて実施できているのではないかと感じた。
31年度から単位制普通科高校として新たなスタートを切る本学を応援したい。
最後に、この記事を読んで山県高校に興味を持っていただけたら幸いである。
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