名古屋大学の一般入試対策

このページでは、名大の一般入試対策について説明していく。

名大自体の概要、特長、就職状況、推薦入試などについては別記事で詳しく解説しているので、そちらも併せて読んで欲しい。

配点・ボーダーについて

細かい勉強の話をするまえに、ゴールを知っておこう。

つまり、「最終的に何点取れていればいいの?」という話だ。

  • いまの学力
  • 合格ライン
  • 試験日までの残り時間

を正確に把握することで、残りの時間でやるべきことが見えてくる。

まずは一次・二次を総合した合格最低点を見てみよう。

学部・学科ごとの合格最低点

学部学科区分2016
合格最低点
2017
合格最低点
2018
合格最低点
満点合格最低点
平均得点率
前期137814041398210066.3%
教育前期173416971623270062.4%
前期97410751032150068.5%
経済前期152515391547240064.0%
前期147315101467235063.1%
前期190419251967255075.8%
看護前期123913021302240053.4%
放射線
技術科学
前期132414241347240056.9%
検査
技術科学
前期136214481386240058.3%
理学
療法学
前期128414101340240056.0%
作業
療法学
前期110312831290240051.1%
化学・
生物工
前期112512051174190061.5%
物理工前期113812401206190062.9%
マテリ
アル工
前期12371157190063.0%
電気電子・
情報工
前期115312601247190064.2%
機械・
航空工
前期122013251269190066.9%
エネルギー
理工
前期12151212190063.9%
環境土木・
建築
前期112611871178190061.2%
生物環境
科学
前期139914571430230062.1%
資源生物
科学
前期141714881444230063.0%
応用生命
科学
前期145314851477230064.0%
情報自然情報前期120613001317200063.7%
人間・
社会情報
前期134414581382200069.7%
コンピュータ
科学
前期14241451220065.3%

(大学受験パスナビ、名古屋大学HPをもとに作成。)

※一部、ここ数年で新設された学部・学科がある。

なお、名古屋大学では一次試験(センター試験)での足切りが実質的に行われないことがほとんどである。

上表の結果をまとめると、合格に必要な得点率は次のようになる。

学部学科合格に必要な
総合得点率
センター
目標得点率
二次
目標得点率
70%80% (900)65% (1200)
教育65%80% (900)60% (1800)
70%80% (900)60% (600)
経済65%80% (900)60% (1500)
65%80% (900)60% (1450)
医学科80%90% (900)75% (1650)
それ以外60%70% (900)55% (1500)
65%80% (600)60% (1300)
65%80% (900)60% (1400)
情報コンピュータ75%85% (900)70% (1300)
それ以外70%80% (900)65% (1100)

括弧内は配点を示している。

まずは、この表から自分の志望学部・学科を探し、最終的に目指す必要のある得点を知っておこう

科目別対策

では、いよいよ各科目の対策に入っていく。

英語

英語は学部によらず受験する必要があり、問題も共通だ。

制限時間は105分で、問題構成は以下のようになっている。

  1. 英文読解(日本語問題文)
  2. 英文読解(日本語問題文)
  3. 英文読解( 英語問題文)
  4. 英作文 ( 英語問題文)

この大問ごとに、特徴を説明していく。

大問1. 英文読解(日本語問題文)

最初の大問は、例年オーソドックスな長文読解となっている。

たとえば2018年度の設問は次のようなものであった。

1. 下線部(1)の答えは、どうすれば見つかるかもしれないと著者は述べているか。50字以内の日本語で答えなさい。

2. 下線部(2)について、下に名前をあげた研究者はどのような意見をもっているか。当てはまるものを、A〜Cよりひとつ選び記号で答えなさい。同一記号を何度使用してもよい。(選択肢略)

3. ①〜③に入るもっとも適切な語句をひとつ選び、記号で答えなさい。

4. 下の主題について書かれてある段落はどれか、[P 1]〜[P 5]の段落番号で答えなさい。(主題の英文略)

5. 第3段落[P 3]に書かれてある実験方法の概要を70字以内の日本語でまとめなさい。

6. 第3段落[P 3]に書かれてある実験の結果を70字以内の日本語でまとめなさい。

名古屋大学 2018年度入試 英語より

設問も特異なものはないが、日本語で記述する問題が多いというのが特徴だ。

内容を読み取り、自分の言葉で説明する必要がある。

必然的に、普段よりも深い読解が要求される。

文法の正誤だけで片がついてしまう穴埋めばかり出題される大学もあるが、名大の英語でそういう浅い読みは許されない

普段の勉強から、内容を「全て」理解するように努めてほしい。

大問2. 英文読解(日本語問題文)

同じく2018年度の問題を例にする。

1. 下線部(1)を日本語に訳しなさい。

2. 空欄[イ]から[ニ]に入るもっとも適切な文を下から選び、記号で答えなさい。(選択肢略)

3. 本文に照らして、正しい文をひとつ選び、記号で答えなさい。(選択肢略)

4. Mary Stoddardの新しい発見によれば、卵の形状を決める要素として何がもっとも重要だと考えられるか。文中の英単語二語で答えなさい。

5. 下線部(2)となる理由を60〜80字の日本語で説明しなさい。

6. 下線部(3)を英語に訳しなさい。

名古屋大学 2018年度入試 英語より

やはり記述問題が多いことがわかる。

また、この大問には英訳問題がついている。日本語を英語に訳す能力は、のちの英作文でも必要になるので、日頃から訓練しておくことが望ましい。

こうして記述問題が多く含まれていると、記号問題は息抜きであると錯覚してしまうが、その考えは甘い。

たとえば上の問題2. を見てみると、文の穴埋め問題となっている。

この場合、空欄前後とのつながりを考慮しなければいけないため、考える量が多いといえる。

全体的に、英文読解はストレスフルな構成だ。

大問3. 英文読解(英語問題文)

この大問は、問題文も英語となっている。

全部英語とはいえ、困惑する必要はない。

問題の形式はごく単純なものばかりで、日本語の問題文を見慣れていれば想像しやすいからだ。

2018年度の問題は以下の通りであった。

1. The articles from the Nagoya Enquirer contains FOUR errors in verb form among the seven options (A) to (G). Find each of the errors AND correct the form as in the example below and on the answer sheet. Write only one word for each correction. (例略)

2. Pick the best replacement for each of the following words: (以下略)

3. Based on the conversation, which TWO of the following are true? (選択肢略)

4. Do you think that it is a good idea for a person to have a job related to their hobby? Circle “agree” or “disagree” on the answer sheet. Then explain your answer by completing the paragraph with between 30 to 40 English words. (The first sentence on the answer sheet is not included in the word count.)

名古屋大学 2018年度入試 英語より

文法問題、選択肢問題2つ、そして最後に意見文の問題となっている。

先述のように問題文自体は決して難しくない。

変に怖気付くことさえなければ、むしろ大問1. や大問2. よりは易しいというのが正直なところだ。

ただし、意見を述べる問題では、回答のしかたに気を払うのが重要だ。

この問題4. の場合、パラグラフを埋めて完成させるという形式なので、前後の文とすんなり接続しているのは最低限の条件

作文が終わったら、印字されている英文と合わせて通読するようにしよう。

大問4. 英作文

4つある大問の最後に、この自由英作文がある。

たとえば2018年度は、表を読み、分析するという課題であった。

The table below shows the percentages for Internet users who used social networking services (SNSs) by age group between 2005 and 2015. Summarize one major similarity and one major difference between age groups as well as the changes within a single age group. (You can choose any one group.) Write a complete paragraph of between 50 and 70 English words. (表略)

名古屋大学 2018年度入試 英語より

自由英作文といえど、名大では英語の書き方に細かい指示があるケースが多いので、構成を考えるのにそこまで時間を注ぐ必要はない。

その分、文法的なミスや内容的なミスは可能な限り減らすようにしよう。

自由英作文に着手するときは、

  • 自分のコントロール外にある難しい語を用いない。
  • 文法的な正しさを優先する。

といった点に留意してほしい。

詩的な英文・洒落た英文は求められていないし、そういう試験でもない。

大事なのは、「ふつうの英文をふつうに書く力」だ。

数学

数学は、文系と理系で時間・内容が異なる。

理系は150分(大問4つ)、文系は90分(大問3つ)で、記述式だ。

各々の大問は、たいてい3つ〜4つの小問で構成されている。

なお、理系問題のうち1問が文系にも出題され、共通問題になる。

数学は「理系 / 文系」という切り口で見てみよう。

理系

理系の問題構成は

  • 微分(数学IIIレベル)
  • 積分(数学IIIレベル)
  • 整数
  • 確率
  • ベクトル
  • 数列

あたりから4問出題される感じだ。

微分と積分は、毎年出題されるものと思って問題ない。

名大の理系数学では証明問題が頻繁に出題されるため、手を動かす量がとにかく多くなることに注意が必要だ。

数値を問われている問題なら、多少途中過程が雑でも答えが合っていれば満点(近く)を取れるものだが、証明問題ではそうはいかない。

丁寧に証明を書く癖をつけておかないと、自分では正しいと思っていてもボロボロ減点されてしまう。

模試などを活用し、証明を書く力を磨いていこう。

なお、各大問の最後は難しめの問題が並んでいるものの、(1)や(2)は非常に簡単なケースがほとんどなので、同じ大問に熱中せずに、全ての問題に必ず一度は目を通すようにしてほしい。

文系

文系は問題数が少ないうえ、数学IIIはもちろん範囲外だ。

しかし、だからといって「楽になる」というわけではない

実際、過去問を見てみると、遠慮なく証明問題や図示問題が含まれており、ハードなものばかりで、結局消耗が激しい。

整数問題をはじめとして、証明問題を習慣的に練習しておこう。

整数は苦手とする受験生が多い一方で、一度得意になってしまえば何も怖くない領域だ。

国語

国語は、文系・理系で時間・内容が異なる。

文系は105分、理系は45分だ。

文系は現代文・古文・漢文の全てを解く必要があるが、理系に課されるのは現代文のみとなっているのが特徴だ。

理系にとって、二次試験で古文・漢文が不要なのは楽な要素といえよう。

国語は、やはり大問ごとに見ていこう。

現代文

名大の現代文の特徴は、問題文が長いことだ。

3〜4ページ程度、びっしりと問題文があり、読むだけでもそこそこ時間を使ってしまう。

問題形式自体はオーソドックスだ。

問一 傍線部a〜jのカタカナは漢字に、漢字は読みをカタカナに、それぞれ改めよ。

問二 空欄A〜Dに入れるのに最適な語を、次のア〜オから選び、記号で答えよ。ただし、それぞれの記号は一度のみ用いることができる。

問三 傍線部①について、筆者が「蛮勇」と表現する理由を、本文に即して一〇〇字以内で説明せよ。

問四 傍線部②「垂直的な音」と傍線部③「水平的な音」について、その対比に留意しながら、本文に即して一〇〇字以内で説明せよ。

問五 傍線部④について、なぜ人間の「声」が「典礼や法的手続における不可欠の要素」とされていたのか、本文に即して一〇〇字以内で説明せよ。

問六 傍線部⑤「文字化された中世の文学作品にヴァリアントが無数にある」のはなぜか、本文に即して九〇字以内で説明せよ。

名古屋大学 2018年度入試 英語より

問一の漢字、問二の文法問題を除けば、90〜100文字の記述問題で構成されていることがわかる。

100字の記述が四問もあるのは相当にヘビーで、下書きから丁寧に準備していると多くの時間を要する

問題文も長めのため、名大の現代文は「効率」「スピード」が重要になってくる。

現代文で時間短縮をするには、

  • 問題文を先に読んでおく
  • 長い文章を読みなれる

の二点が肝要だ。

問題文を先に読んでおくことで、何が問われているのかを知った状態で文章の読解に取り組める。

逆に、いきなり文章に目を通すと、どういった内容を拾えば良いのかわからないので、単に「読んだ」だけで終わってしまいかねないので注意。

また、日頃から長い日本語(できればふつうの本)をたくさん読んでおくことを推奨する。

やはり日頃日本語を読んでおくと、長い日本語もすんなり理解できるからだ。

古文

以下は文系のみに該当する内容である。

名大の古文は、文法問題ではなく記述問題により構成されている。

「ことばを補いながら」現代語訳したり和歌の説明をしたりする問題が多い。

「ことばを補いながら」と言われている以上、曖昧な理解では得点できないし、傍線部にある古語を現代語訳すれば済むという話でもない。

前後の文脈も含め完璧に理解している必要がある。

テクニカルな古文の攻略法に頼っていると、こうした精密な読みを要求される問題で困ることになる。

日頃の勉強では、内容を全部理解することを何より優先してほしい。

古文特有の「展開」「洒落」「教訓」といった高度な内容も、ふだんから細かく読んでいれば感付きやすくなる。

漢文

漢文では、

  • 漢字の読み方
  • 書き下し文の作成
  • 現代語訳
  • 何を指しているか
  • どういうことか
  • なぜか

といった、平凡な内容が出題される。

ただし、「どういうことか」「なぜか」系の問題で、ときおり150字程度の大型の記述問題が出題されることがあるのが特徴だ。

文字数が多いということは、傍線部付近だけでなく全体の文脈を把握した上で回答せよ、ということである。

ここでもやはり、内容理解を重視する名大らしさが出ているといえよう。

もちろん句法の知識は必須だが、それ以上の力が求められる。

日頃の学習では、古文同様、内容を完璧に理解している状態を目指してほしい。

地歴

次は地歴。文系、それも

  • 文学部全員
  • 情報学部人間・社会情報学科のうち、地歴を選択した者

しか地歴は使用しない。

通常、難関大学の二次試験では地歴を要することが多いので、ここが名大文系入試最大の特徴といえる。(無論、センター試験対策は必須である。)

試験時間は地理B、日本史B、世界史Bいずれも90分である。

地理

4つの大問で構成されている。内容自体はごくシンプルで、

  • 地図の図法
  • 農業
  • 工業
  • 気候区分

など満遍なく出題される。

回答形式も、記号と記述が合わさっており、総合的な実力が要求される。

名大の地理の最大の特徴は、「図表が多い」ということである。

実際に問題を見てみると、図がふんだんに使用されていることがわかる。

とはいえ、奇をてらった図があるわけではなく、どれも教科書や資料集によく掲載されているもの。

ふだんの学習で図表に注目していれば、すんなり問題が解けるはずだ。

逆に、単語帳や一問一答などに頼って知識を詰め込もうとしている人にとって、この科目は厳しいものとなる。

日本史

日本史は、4つの大問で構成されている。

出題時代・地域ともに様々で、内容の意味で強い傾向は見られない。

しかし出題形式には、明らかな傾向がある。

それは、論述問題がほとんどということだ。

  • グラフ・表から情報を読み取り、説明する
  • 風刺画の解釈を説明する
  • 歴史の略説

など、中身は様々で、高度な問題といえよう。

こうした幅広い内容の記述問題は極めて対策がしづらい。

強いて言うならば、「教科書をよく読む」べきである。

受験勉強となると教科書を使用しない人もいるが、こと歴史において教科書は非常に強力だ。

いわゆる「流れ」を理解するうえで、これほど適した材料はない。

ある程度知識が固まったら、教科書の通読をしてみよう。

世界史

世界史は、大問4つで構成されており、

  • 大問1〜大問3:短答問題、短めの論述問題が中心
  • 大問4:350〜400文字で回答する長い論述問題

という感じだ。

出題される地域・時代ともに様々であるが、中国の歴史は出題頻度が高いので、忘れずに対策しておこう。

大問4を除いて、単語を答える問題が非常に多い。

たとえば2018年度の大問1では、

  • 単 語:8問
  • 民族名:6問

が出題されており、用語だけで14題。

すべて正解すれば、点数は相当安定してくる。

用語集や一問一答を活用し、基本単語は確実にインプットしておこう。

大問4の対策は、上記のような基礎知識の習得が終わった後ということになる。

論述の対策を一人で行うのは難しいので、先生などにチェックしてもらうことを強く推奨する。

論述対策にあたっては、一問一答などに頼りすぎず、教科書を一度通読してみるのが有力だ。

理科

理科は、理系のみが取り組むことになる。

制限時間は150分で、科目の選び方は

  • 物理・化学(限定)
  • 物理・化学・生物 から2科目
  • 物理・化学・生物・地学 から2科目

など学部・学科により異なるので注意してほしい。

なお、ここでは地学以外の3科目について説明する。

物理

大問3つで構成されており、出題内容は

  • 力学
  • 熱力学
  • 振動・波動
  • 電磁気学

と幅広い。

出題形式も、使用文字が指示されておりそれを用いた式で答えるという、いたってふつうのものである。

ただし、どの大問も回答箇所が10個程度はあるので、忙しいことが予想される。

仮に回答箇所が30個だったとすると、1個あたりにかけられる時間は 75分÷30=2.5分。

同じ問題で悩んでいる暇はないことがわかるだろう。

センター試験レベルが完璧になったら、過去問演習をしてスピード感に慣れる必要がある。

化学

大問3つで構成されており、有機・無機・理論から幅広く出題される。

用語を答える問題、計算問題、記述問題と、形式も様々だ。

頻出分野は

  • 熱化学方程式、結合エネルギー
  • 化学平衡
  • 結晶構造

あたりなので、これらの分野(特に計算問題)に慣れておいてほしい。

もう一つ重要なのは、「記述問題」である。

計算問題は時間を要するため、前から順番に解いていると時間が足りなくなる見込みが大きい。

しかし記述問題は定性的な内容を問われているケースがほとんどなので、前の計算問題ができずとも正解できることがある。

計算に行き詰まったらすぐに放棄するのではなく、「この後に解ける問題はないか」と探してみてほしい。

生物

4つの大問で構成されることが多く、物理・化学同様に内容は様々である。

回答形式は、記号問題と記述問題がほとんどとなっており、計算問題は毎年2,3問程度だ。

大抵どの大問にも、用語の穴埋め問題がある。

全ての大問を合計すると20〜30問もあるので、これらを全て正解すればそれだけで大きな得点源だ。

生物の学習に際しては、まず基礎知識の習得に専念しよう。

一通り知識のインプットが終了したら、あとはひたすら問題演習をするとよい。

記述問題は、グラフを読み取ったり実験内容を説明したりと、自分でよく考えないと正解できないものがほとんど

経験値がものをいうので、記述問題をたくさん解くことを推奨する。

志望学部・学科別の勉強プラン

ここまで、各科目の出題形式・内容について説明してきた。

では、志望学部・学科別の、勉強のしかたを述べる。

医学部(医学科以外)

医学科以外の場合、総合で60%以上を取れていれば合格濃厚なのであった。

医学科以外を志望している場合、幸いにも合格ラインはそこまで高くない。

端的にいうと「得意な理系科目が一つあれば合格できる」という感じだ。

数学、物理、科学、生物のいずれかのうち、二次試験で確実に高得点(たとえば80%以上)を獲得できる科目を真っ先につくろう。

その後は、理科の暗記項目を定期的にチェックし、漏れを修復していくだけで、毎回安定して合格点を越せるようになる。

教育学部、経済学部

文系の中では合格ラインが低い方で、65%を目指せばよい。

ただし、二次試験で地歴がないのが特徴なのであった。

将来の進路を見据えて得意科目をつくってみるのが賢い方法だ。

たとえば教育学部で英語科を担当したいのであれば、英語を徹底的に勉強する。

経済学部で、計量的な経済を将来的にやりたいのであれば数学を磨き上げる。

こうすることで、モチベーションを維持しつつ勉強を進められる。

理学部、農学部、工学部

理系の中では合格ラインが低い方で、65%を目指せばよい。

理科の学習に際してひとつ注意点がある。

この3学部の場合、大半が物理・化学選択になると思うが、全く問題が解けないような苦手分野は作らないようにしよう。

たとえば物理の場合、出題内容は

  • 力学
  • 熱力学
  • 振動・波動
  • 電磁気学

と大別できる。

熱力学が全然わからない状態で本番に臨み、熱力学が出題されたとしよう。

すると、大問1個まるまる失いかねない。

物理や化学は通常大問3つで構成されているため、1つ手を付けられない大問があると、それだけで65%は達成できなくなる。

100点満点を目指す必要はないが、どの大問も途中までは必ず解けるようにしておこう。

したがって、理科では難問を演習する必要はないものの、全範囲をまんべんなく対策しておく必要はある。

決してヤマを張らないでほしい。

文学部、法学部、情報学部

合格濃厚ラインは70%で、このあたりになると本腰をいれて受験勉強に望まなければならない。

どの科目も、「全然わからない分野」を無くすのが前提となる。

ノー勉で臨む分野がないように、時間に余裕をもって勉強しよう。

これら3学部では「数学」がキーになると考えられる。

ふつうの受験生が苦手としがちな整数問題を確実に正解し、証明問題も失点しないように丁寧に書く。

こういったことができると、合格はグンと近付くに違いない。

また、文学部では地歴が二次試験でも出題される

センター試験の対策だけをしていると、二次試験の論述問題で困ってしまうので、論述の演習はたくさん行うようにしてほしい。

一問一答などを用いて知識を吸収するのは悪いことではないが、それと記述力はまた別物だからだ。

さきほど科目別勉強法の項でも述べたが、教科書の通読が有効である。

なお、情報学部のなかでコンピュータ科学科だけは合格ラインが高めなので注意してほしい。

医学部医学科

やはり医学部医学科は合格ラインが極めて高い。

75%でも足りないことがあり、80%はほしいところだ。

80%というのは相当に高い割合である。

どの科目も大問が3〜5つで構成されているわけだから、全ての科目で「大崩れ」は許されない。

たとえば数学が大問1個まるまる不正解だった場合、それだけで80%には及ばなくなってしまう。

全科目の成績を安定させる。まずはここから始めよう。

  • センター英語
  • センター数学
  • センター理科

については満点(どんなにヘマをしても90%以上)を取れるようになるまで勉強する。

それができたら、自分の得意科目1〜2個を、二次試験でも満点近く獲得できるように特訓しよう。

何があっても失敗しない科目があると、実に心強いものだ。

たとえば

  • 数学と物理は、センター・二次ともに完璧
  • センターでは、英語と国語のミスを減らすことだけを考える
  • 二次では、英語と化学のミスを減らすことだけを考える

という展開が理想的だ。もちろん、得意科目のペアはこの限りではない。

まとめ

名大の一般入試について、科目別・志望学科別に対策を述べてきた。

入試対策にあたっては、最終的な目標得点、つまり「ゴール」を設定し、入試の日までにそこに到達するよう逆算して勉強するのが大切だ。

名大合格に向けて、引き続き頑張ってほしい。

先ほども紹介したが、名古屋大学自体の情報については別記事で詳しく説明しているので、そちらも参照することを推奨する。

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