概要・沿革
加納高校は岐阜市加納南陽町に位置する県立高校である。
全日制及び男女共学であり、普通科・音楽科・美術科の3つの学科が設置されている。
定員は普通科が320人で8クラスに分けられ、1年生では1クラスあたり40人となる。
普通科の定員が他の岐阜市内の高校に比べて少ないため、比較的倍率が高くなる傾向がある。
音楽科・美術科の定員はそれぞれ40人であるが、音楽科に関しては定員が割れることも多く、二次選抜が行われることもあり、2018年からは県外からの受験が可能となった。
普通科・音楽科の教室は一つを除き北舎にあるが、美術科の教室は南舎にあるということもあり、普通科と音楽科・美術科の交流はあまりない。
1年生では芸術科目の選択があり、音楽・美術・書道の3つの中から選ぶが、1年生のクラス分けはこれに頼るところがあり、選択した科目で固められていると考えられる。
2年生では、文理選択が行われ、文系理系ともに4クラス設置される。
後に受験教科の変更によっては他方を選択することは可能だが、クラスの変更はできない。
3年生では、文系において文Ⅰコースと文Ⅱコースの2つへ更にクラス分けがされる。
文Ⅰコースは主に私立大学を志望する生徒で構成されるため、受験で使わない数学の授業が無くなり、代わりに自身が選択した世界史または日本史の授業が行われる。
しかし、受験に使わない科目であっても倫理等の公民科目は受講しなければならない。
校章は白梅を象ったものであり、校門の近くにはこの木が植えられている。
生徒は校章を制服に付けているが音楽科・美術科はこれに加えてもう一つ校章を付けている。
また、男子はカッターシャツ、女子はカッターシャツまたはセーラーブラウスが夏季の制服として指定されているが、これらに校章を付ける必要はない。
このセーラーブラウスがかわいいと人気である。
スクールカラーは橙色で、誠実・明朗・親愛・進取を示している。
部活動のユニフォームやシャツにこの色が用いられることが多い。
同校は1916年に岐阜県立加納高等女学校として設立され、この年をもって創立としている。
その後岐阜第二中学校へと形を変え、1948年に岐阜県立加納高校として発足した。
岐阜五校と呼ばれる学校群の一角であり、三番手に位置している。
また、冬季の制服にセーラー服が採用されているのは五校の中で同校だけである。
年間日程
4月:入学式
5月:球技大会、遠足(1年生は高山、3年生は京都)、修学旅行(長崎・3泊4日)
7月:音楽科定期演奏会
9月:白梅祭(文化祭)
10月:スポーツ大会、美術科卒業制作展覧会
11月:音楽科海外研修旅行(プラハ・ザルツブルク・ウィーン・7泊8日)、美術科海外研修旅行(フィレンツェ・ローマ・パリ7泊8日)、美術科特別実技指導
12月:音楽科卒業演奏会
2月:SHOW文化祭、白梅の絆
〈球技大会・スポーツ大会〉
加納高校では体育祭が行われない代わりに、球技大会が2回行われるのが特徴である。
5月に行われる球技大会では学年ごとにバレーボールでリーグ戦を行い、上位2チームが午後から行われる決勝トーナメントに進出できる。
トーナメントの上位3チームの他、クラス内の全チームの成績をもとにクラス単位での表彰もある。
10月に行われるスポーツ大会も基本的には5月のものとは変わらないが、学年対抗で試合が行われる。
当然、上級生の方が強いため1年生や男子の人数が少ない文系のクラスはリーグ予選で敗退する場合が多い。
これらの行事で最も魅力的と言えるのはユニフォームである。加納高校は指定の体操服が存在しないため、体育の授業も球技大会にも市販のジャージで参加することが認められている。
特に球技大会では、「運動が可能な服装」程度にしか規定されていないため、クラスTシャツを着たり、チームでユニフォームを揃えたりするなど、ほぼコスプレ大会となる。
球技大会の様子
〈白梅祭〉
前述の通り、同校には体育祭が無いため、白梅祭とは2日間の文化祭を指す。
各クラス演劇やダンス、展示などの出し物を出さなければならず、他に有志や文化部が参加する。
飲食の露店は禁止であり、使える場所も限られているため1年生はほとんどが展示や映像制作を行う。
2、3年生はほとんどが演劇を行い、特に3年生のものはクオリティが高い。更に、美術科の体験型の展示は予約券が存在し、当日券にも長蛇の列ができるほど毎年好評である。音楽科は毎年ミュージカルを行う。
1時間以上に及ぶ大作でとても見応えがあるため、体育館で立ち見をする人がいるほど人気である。
白梅祭にはOB・OGと保護者しか入場出来ないため、加納高校の生徒なら一度は体験してほしい。
白梅祭の演劇部
〈SHOW文化祭〉
SHOW文化祭とは2月に行われる小規模の文化祭である。展示がメインであるため、「show」と「小」をかけたネーミングとなっている。
文化部が活動内容を展示し、生徒が決められたテーマをもとに俳句や狂俳を作り、優秀な作品は展示されるなどが主な内容である。
〈白梅の絆〉
白梅の絆とは、卒業式の前日に行われる3年生の送別会である。
加納高校では、1年生が卒業式に出席できないため、このような機会が用意されている。
部活動ごとに3年生に向けて作られたビデオメッセージが流されたり、先生方からもメッセージがあったりするなど、卒業式に比べて和やかな雰囲気の中で行われるのが特徴である。
合格実績
http://school.gifu-net.ed.jp/kano-hs/course/pdf/sinro/sinro30.pdf
詳しい情報は上記のURLから見ていただければ幸いである。
筆者の印象としては、全体の半数近くが岐阜大学や名古屋大学などの国公立大学に進学しており、私立大学の場合、南山大学や名城大学などの名古屋市内の大学に進学する生徒が多いと感じている。
名古屋大学は毎年10人程度が合格しており、この辺りが同校における上位層である。
他には関関同立も同校の生徒が多く受験しており、入試そのものの難易度も関わるが、MARCHに比べると関関同立へ進学する生徒が明らかに多い。
アクセス
岐阜市内の他の高校に比べると岐阜駅からの距離が近いという利点があるため、名鉄、JRを問わず岐阜駅を利用して通学する生徒が多い印象である。
岐阜駅からは自転車で通う生徒が多く、雨の日はバスで通学する生徒が多い。
自転車の場合、所要時間は10分程度である。
筆者は硬式野球部に所属していたため、一般的な生徒に比べて学校行事を楽しむことが出来ない場合もあったが、それでもどの行事も楽しかった印象である。
特に部活動には多くの思い出がある。練習は厳しく、勉強との両立に苦心したが、きついことであっても最後までやり抜くという体験が私を成長させてくれてはないのかと思う。
先生方も私のことを思って熱心に指導してくださる優しい方ばかりで、本当に加納高校で3年間を過ごすことが出来てよかったと思う。
長くなってしまったが、これを読んで一人でも多くの人が私の母校に興味を持ってくだされば幸いである。
野球部の応援の様子
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