【偏差値37】土岐紅陵高等学校

このページは、土岐紅陵高等学校についての基本的な情報を提供するものである。

これから入学試験を迎える受験学年の生徒諸君や、その親御様にぜひ読んでいただきたい。

岐阜県では、平成30年(2018年)より全日制普通科の高校入試において、全県一区制を導入することになった。

これにより、受けられる高校の制限がなくなり、岐阜県民であれば自由に通いたい高校を選ぶことができるようになった。

以下、土岐紅陵高等学校について紹介していこう。

学校情報

所在地 岐阜県土岐市下石町1795-12

設立 1962年(1997年に現在の土岐紅陵高校に改称された)

教訓 明るく・強く・豊かに

学期 2学期制

アクセス
JR中央線「土岐駅」から東鉄バス20分”下石貢”または”紅陵高校前”にて下車
JR中央線「多治見駅」から東鉄バス”下石貢”または”紅陵高校前”にて下車

在籍数
1年生    114名
2年生    119名
3年生    109名
計       341名(平成30年4月1日現在)

教育目標
・生徒一人ひとりの良さや可能性を見つけ、伸ばす。
・社会で求められる資質・品格を身につけさせる。
・教育社会に貢献する人材を育成する。

教育方針
・家庭や地域との連携を大切にした教育活動の推進
・全職員が一体となっての教育活動の推進
・学力とコミュニケーション能力の向上
・基本的生活習慣の確立と規範意識の向上
・キャリア意識の向上とその礎となる自己肯定感の向上

各学科紹介

文系進学系列

社会人として必要な「生きる力」を育成し、基礎学力を向上させ、上級学校進学後に学ぶ専門的な分野やそれに対応する能力を身につけさせることを目的としている。

大学、短大、専門学校進学に必要な科目、就職に必要な科目、一般教養を身につけるための科目を用意しており、英数国理社の5教科の教員が主に対応する。

卒業後は大学、専門学校、短大への進学が多い。

食と福祉系列

生涯にわたる発達や生活の営みを食文化・福祉の視点を中心に学ぶ。

男女が協力し、主体的に家庭や地域の生活を創造する能力と実践的態度を身につけさせる。

調理、栄養、福祉、保育などの生活産業に関する様々な科目を設け、多様な進路希望に対応できるようにしている。

卒業後は生活産業に関する、大学、短大、専門学校、施設や企業への就職が多い。

情報・ビジネス系列

情報やビジネスに関する基礎的な知識と技術を習得し、経済社会に一員として望ましい態度を身につけさせる

商業や情報科目を中心に、就職後に役立つ実学的な科目を用意し、パソコンなどの施設も充実させている。

また、他系列の就職希望者も選択しやすいように配慮されている。

卒業後は商業や情報系の大学、短大、専門学校への進学や、就職が多い。

美術・工芸系列

伝統的な美術・工芸や現代の美術文化に対する知識を深めるとともに、生涯にわたって美術を愛好するような感性を育てる。

絵画、デザイン、漫画、陶芸や工芸等の芸術科目を用意し、自分の適正にあった進路選択ができるように科目を設置している。

卒業後は、芸術系大学、短大、専門学校、就職が多い。

教育概要

最大の特徴は総合学科というところにある。

総合学科とは簡単に言うと、普通科と専門学科(工業・音楽等)が融合した教育学科のことで、全科共通学科として国語や数学など最低限学習しなければならない学科が用意されており、同時に工業・商業に関する専門学科がある。

生徒は自分が学びたい科目を選択して受講し、単位を取得する必要がある。

また、2、3年次で本格的に進路が決まった段階で系列が確定する運びとなる。

ただ、厳密な系統確定というのは行われておらず、生徒個人の意志でいつでも系統を変えることが可能だ。

 

単位制ということで生徒自らがやりたいことを見つけ、進路希望を持って学習できるようにとキャリアサポートが充実している。

学校が独自に「産業社会と人間」という科目を用意しており、生徒一人ひとりが将来就きたい仕事や進路を深く考え、その実現に向けた学習計画を立てるための指導を行なっている。

この科目は生徒が主体となって行動できるように、地域と連携し体験授業や調査、研究や発表の時間を設置し、課題探究心を育てることに力を入れている。

1年次は”自分探し”としてやりたいことを定め、2、3年は”自分磨き”の時間として希望進路に向けた技術や技能を高める指導を行なっている。

 

4つの系列が用意されているが、これを型にはめることはしない。

生徒自身が「産業社会と人間」の科目によってやりたいことを決め、学校の単位選択で迷わないように系統として用意されているという訳である。

概要

本学の歴史は1962年に土岐市立土岐高等学校として設立されたところからはじまる。

その後、1974年に岐阜県立に移管されるとともに、1997年に全日制・単位制・総合学科として岐阜県立土岐紅陵高等学校として改称された。

 

教訓は「明るく 強く 豊かに」であり、単位制総合学科の特徴を生かし、生徒自身が自分の適正を見極め、自分の生き方を考えた上で一生懸命に生きていけるように教育を施している。

2018年に岐阜県公立学校としてはじめて”学校運営協議会”を設置した。

広義にはコミュニティ・スクールとも呼ばれ1930年にアメリカの世界恐慌以降はじまった学校形態である。

日本では教育委員会の判断によって設置することを許可され、2004年から本格的に開始された。

学校が母体となり、学校内に学校教育審議会を設置し運営する。

地域住民や保護者、学職経験者、教員、校長から構成され、それぞれが立場を超えて教育方針や予算、教員の採用など意見を出し、学校を運営するという制度である。

公共性を維持しながら公平な教育を施すことを証明することになる。

偏差値

偏差値は37。岐阜県内の公立高等学校が156校あり、その中で155番目にあたる。

残念ながら偏差値は最底辺と言わざるを得ない。

一方で、単位制の学校であり就職に特化した単位を優先的に取る生徒や、工学や芸術に力を入れている生徒も多いはずなので、一概に偏差値だけで判断することはできない。

入試情報

岐阜県の公立高校の入試制度に従い実施される。

標準検査(国数英理社)と面接、小論文試験を実施している。

定員は総合学科として毎年120名で、昨年の志願倍率は1,10。

出展:平成30年度入学者選抜実施概要 公式HPより

http://school.gifu-net.ed.jp/syoyo-hs/jhs/pdf/30_kennsagaiyou1.pdf

合格実績

4年制大学や短期大学、専門学校への進学率は全体の3~4割程度で、ほとんどの生徒が就職している。

昨年の実績では、四年制大学に8名、短期大学に5名、専門学校に33名、就職が67名となっている。

ホームページに記載されている30年度の進学実績から、主要な合格実績を紹介していく。

四年制大学

愛知工業大学1名、中京学院大学1名、中部大学2名、名古屋外国語大学1名、名城大学1名

短期大学

中京学院大学短期大学3名、名古屋文理大学短期大学1名

専門学校

あいち造形デザイン専門学校5名、あいち福祉医療専門学校2名、中日美容専門学校3名、あじさい看護福祉専門学校2名

就職

アイシン・エイ・ダブリュ(株)1名、(株)大王製紙可児工場1名、ダイドー(株)1名、TOTOマテリア(株)1名、トヨタ自動車(株)1名

部活動

運動部、文化部ともにのびのびと活動している。

実績としてはウェイトリフティング部が第62回全国大会に出場しており、現在も県大会の常連校として毎年好成績を残している。また、吹奏楽部も27年度に中部日本個人・重奏コンテスト県大会で銅賞に輝くなど素晴らしい実績を誇る。

その他、美術部は美術・工芸系統の生徒が多く在籍しており、様々なコンテストに参加している。

『平成28年度 第10回東濃地区高美展』優秀賞
『第69回岐阜県美術展青年部デザインの部』優秀賞
『平成27年度 第9回東濃地区高美展』奨励賞
『岐阜県高等学校総合文化祭 美術・工芸展』 奨励賞

高い芸術性と技術が大会の実績からもわかり、学んだことを部活動で活かせる環境は素晴らしい。

以下、部活動一覧

運動部

ウエイトリフティング部、弓道部、サッカー部、卓球部、ソフトテニス部、バスケットボール部、バレーボール部、野球部

文化部

コンピュータ部、新聞部、科学部、美術部、吹奏楽部、茶道部、演劇部、漫画研究部   ESS同好会

特色

単位制の学校のため行事が少ないイメージがあったが、一般的な高等学校と変わらないペースで行事が行われているようだ。

ただ、他校のHPと比較すると行事関連の情報公開が少ない。

今年からコミュニティー・スクールとして開かれた学校運営が行われていくため、少しずつ外部へ向けた情報公開が行われていくことを期待したい。

部活動では吹奏楽部が勢力的に活動している。

いくつか賞を受賞しているほか、地域の音楽イベントなどに参加し地方活性に協力している。

写真は2016年の土岐市消防音楽隊の定期公演に参加した際のものである。

実績

『第33回中部日本個人・重奏コンテスト 県大会』銅賞

『第53回岐阜県吹奏楽コンクール岐阜県大会』銅賞

出典:土岐市消防音楽隊が「第1回定期演奏会」【土岐紅陵高校が賛助出演】

http://tononews.blog.fc2.com/blog-entry-3950.html

年間学校行事

4月 入学式
5月 遠足(1年生:クォーレふれあいの森・2年生:松山城)、球技大会
8月 企業見学
10月 修学旅行(沖縄)
11月 紅陵祭、球技大会、芸術鑑賞会
3月   卒業式

今回、この学校行事については、土岐紅陵高等学校のページを参考にさせていただいた。

学校行事の様子など、写真を交えて校内の様子を発信している。

この記事を読み興味を持った方は、ぜひリンク先を訪れてみて欲しい。

参考:土岐紅陵高等学校HP

https://school.gifu-net.ed.jp/wordpress/tokikoryo-hs/

まとめ

総合学科として、普通科と専門学科の良い部分を取り入れた教育が行われており、加えて単位制ということで、生徒一人ひとりが夢や目標に向かって必要な勉学に励める環境という面で良い学校だと言える。

入学当初に進路が確定していなくても、頻繁に進路を見つめ直すことができるので卒業する頃には理想の進路に進めていることだろう。

また「産業社会と人間」の科目で研究と発表の機会も用意されているので、自主性を育むこともできるだろう。

一方で、幅広い進路に対応するという学校の方針が、進学という側面では少し弱い印象を持ったことは否定できない。

個性を尊重することは良いことではあるが、学力社会の構造は根強く、また、大学に進学することで得られるものは知識だけではなく、思想や発想力、想像力も育つ。

現在は、岐阜市の公立高校でワーストに近い学力レベルではあるが、今後コミュニティー・スクールによって外部の声を取り入れるなどし、学力の底上げがなされることを望む。

いずれにしても、個性を伸ばすことを目的として入学してくる子にはいい学校だと感じた。

この記事を読んで土岐紅陵高校に興味を持っていただけたら幸いである。

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